Kendrick Lamar、2年半ぶりとなる新アルバム『GNX』をサプライズリリース

グラミー賞で5部門にノミネートされ、その音楽的影響力を再確認させているKendrick Lamarが、新アルバム『GNX』を予告なしでサプライズリリース。

全12曲で構成されている本作は、配信限定で公開され、SNSで直接リンクがシェアされた。2022年の『Mr. Morale & the Big Steppers』以来、約2年半ぶり、通算6作目となるアルバムだ。

アルバムタイトルとなっている『GNX』は、1987年にゼネラルモーターズが限定生産したビュイック・リーガルの特別モデル「GNX(Grand National Experimental)」を指す。Kendrick Lamarが生まれた年に登場したこの車は、アルバムジャケットにもその姿が描かれており、象徴的な存在となっている。

今回、アルバムの制作陣にはJack Antonoff、Kamasi Washington、Mustard、Terrace Martin、Sounwaveらが参加。

DJ Snakeにより示唆されていたTaylor Swiftとのコラボ曲や、Drakeとの応酬を背景にリリースされた「Not Like Us」は、本アルバムには収録されていない。しかし一方で、SZAがゲストボーカルとして参加した楽曲「Luther」と「Gloria」がアルバムに収められている。

アルバムのリリース翌日にミュージックビデオが公開された「Squabble Up」は、「Not Like Us」のミュージックビデオ冒頭で予告されていた楽曲で、Kendrick Lamarの出身地であるコンプトンや、西海岸の文化を称える内容となっている。

ビデオでは、閑散としたボールルームでキャストが踊る独特な演出が印象的だ。Ice-Tのアルバム『Power』へのオマージュが込められたシーンも含まれており、話題を呼んでいる。

また、ロサンゼルスを称える楽曲「dodger blue」は、野球チームのドジャースへのオマージュとなっている。この曲には、Compton出身のベテランアーティストWale the Senseiや、「The Box」でBillboardの1位を獲得したRoddy Ricch、さらにSiete7xがコーラスとして参加。

さらに、クラブシーンでは、特に「tv off (feat. lefty gunplay)」が注目を集めており、「mustaaaard!!」と叫ぶインパクトのあるフレーズが印象的な楽曲となっている。

Kendrick Lamarは、来年の「Super Bowl Halftime Show」でソロのラッパーとして史上初、ヘッドライナーを務めることも発表されている。
『GNX』は、Kendrick Lamarのアーティストとしての多様な才能を再確認させる作品であり、音楽的な幅広さを示すアルバムとなっている。

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