DJがヘッドホンを耳に当て、外し、また聴き直す。フロアではすでに大音量で曲が流れているのに、何を確認しているのだろう。ポイントは、客席に出る音と、DJが準備のために聴く音を分けられることにある。

まだフロアに出していない曲を聴ける
DJ機材のヘッドホン用CUEは、選んだ音を手元で確認するための機能だ。例えばSerato Playでは、対応する分岐ケーブルと設定を使うことで、ヘッドホンの試聴とスピーカー向けの出力を分けられる。客席で曲Aが流れていても、DJは次の曲Bを確かめられる仕組みだ。

つまりヘッドホンを着けている間、必ずしも客と同じ曲を聴いているわけではない。これから入れる音を確認する時間も、目の前のセットの一部になっている。
「今の曲」と「次の曲」を比べる
試聴だけが役割ではない。Seratoの公式ガイドには、ヘッドホン内でCUEとMASTERの聴こえ方を混ぜる機能がある。対応機材なら、左右の耳にそれぞれを分けるSplit Cueも使える。
この仕組みを使えば、今出している音と、これから重ねる音を比較できる。聴き方や操作は機材・設定によって異なるため、ヘッドホンを片耳に当てる動作だけで、そのDJが何を確認しているかまでは判断できないということだ。
2人でのDJプレイでも、耳の中は別々
Pioneer DJのDJM-A9は、独立した2系統のヘッドホン出力を備える。それぞれにCUE、音量、ミックスバランスの操作があり、2人のDJが別々にモニターできる。

次にDJを見るときは、ヘッドホンを外した後、どんな音が加わるのかに注目してみたい。客席にはまだ届いていない音を準備する。その見えない作業を知ると、曲がつながる瞬間の見方も少し変わる。
「次の週末、DJのプレイを会場で楽しみたいなら、BeatMagのイベント一覧へ」 https://beatmag.info/events/
